2015/02/25
- ■2015/02/25 「御用学者と政府の金と闇・後篇」 御用学者が誕生する心理
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最前線の科学者は孤独なものらしい。
競争相手、つまり敵はまわりにいくらでもいる。
同じ研究をしていても見たこともない相手が一歩先に発表してしまえば、それまでのすべての研究は無駄になってしまう。
科学者とは孤独な闘いを一生、続けなければならない職業なのであろう。
かといって、研究のテーマを転々と変えて、そこで業績を上げるほどの能力がある科学者は、ごく一握りしかいない。
そのうえ原子力関係の研究では、外国が何歩も先んじていて、日本で研究してもその学問で一流になれる見込みはほとんどない。
それゆえ、他の分野の科学者と違って、研究の成果を求めるという努力なしに得られる潤沢な研究費と大学での地位は麻薬のような魅力があると言えよう。
甘言を弄して近づいてくる政府や企業は、孤独な戦場でのまたとない救いなのである。
夜の飲み代まで払ってくれるというだけでも簡単に「墜ちて」しまうこともあるだろう。
同時に、かりに原子力に否定的な研究をしようとすれば、地位も研究費も失ってしまうのであるから、研究とその成果も自ずから政府や企業の意向に沿ったものになってしまう事になる。
それだけではない。
研究面で業績が上がらなくても、政府の審議会の委員にでもなれば、名誉欲がくすぐられる。
対外的な信用だけではなく大学内での評価も上がりやすい事は容易に想像できる。
大メディアの記者が喜んで委員になるのと同じように、これも麻薬なのである。
かくして、学問的には二流、三流の科学者が生きる道がここに開かれる事になるのである。
御用学者は安泰なのである。
国策に反旗も翻さず、大過なく務めれば、定年後には会社や業界団体の職も与えられようし、いずれ勲章ももらえることになろう。
こうして御用学者が育ち、「作戦」は狙い通りの成功を収めてきたのであった。
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