不登校等対応例

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対応実例 15歳・男子生徒・K

(1)アプローチ

最初の相談は母親からだった。中3の不登校になって自分の部屋に引き籠っていて困っているという相談だった。

9月が過ぎ、進路を決めなければならない時期なのに学校に行けなくて息子が困っているという。

「誰が困っているんですか?」

「息子です・・」

「本当に息子さんが学校に行けなくて困っていますか?」

「???はい!」

「いや?!本当は息子さんが困っているんじゃなくて、困っているのはお母さんやお父さんなんじゃないですか?」

「えっ?」

「息子さんは、別に学校に行けなくても全く困っていないけれど、お母さんは、世間体が悪い・・・親戚にも知られたらみっともない・・・だから普通の子供と同じように学校に行って欲しい・・・というのが本当の気持ちじゃありませんか?まあ、息子の将来の事も心配していると いうのも決して嘘ではないんでしょうが・・・」

「・・・」

「今までにいろんな所に連れ回したんじゃありませか?カウンセラーとか心療内科とか心理療法士とか・・・」

「はい!」

「何箇所くらい連れ回しましたか?」

「7~8箇所くらい・・・」

「じゃあ、今度こそ日本一のいい先生だから・・・なんて言っても「今までもみんなそう言っていたから行ったのにダメだったじゃないか!」 という事になりますよね!」

「はい・・・多分!」

「そういう状態で無理やり連れてきても、話しかければ無言か「別に・・」「普通・・・」みたいな答えだけで意味がありませんよね!」

「はあ・・・やっぱり先生でも無理なんでしょうか?」

普通ならば、無駄と分かっていてもやっぱり本人を連れて来なければダメという事になるか、出張して本人にこちらから会いに行くというのが最高の方法となるのではないだろうか?

でもいくら出張しても本人が部屋から出てこなければ意味がない。

普通ならばここで万策尽きるという事になる。

しかし、うちでは、他に出来ない方法が存在する。

それが「社会文化功労賞」で評価された伝承能力のなせる業なのである。

(2)能力伝承

もし母親が私の代わりに私の出来ることと同じことができたとしたら事態は一変すると思いませんか?

そんな事が出来るならば苦労はしないよ・・といった声が聞こえてきそうですが、それを可能にしたからこそ不可能が可能になり奇跡と呼ばれる現象が出現したのです。

目に見えない「気功」という技法に心をコントロールする「催眠」という技法を加え「気功催眠(他に名前が無いのでそう読んでいる)」という全く違うものに仕上げ、そのどちらか一つを習得するのにも長い年月がかかるのに4日間で相手に変化を与えるレベルにまで完成させた事がすべてを可能にしました。

ここで、4日間で私の持っている技法(心理コントロール技法)と能力(気功力)を習得するとどんな事が可能になるか一緒にイメージしてみましょう!

貴方が、この相談に来たお母さんだと思ってみて下さい。

貴方は、最短で習得する為に4日間(隔週の土日)の伝承講習会に来なければなりません。でも、息子は、それを見てどう思うでしょう?

「(おふくろの奴、なんか土日で出かけたな?一体何をやっているんだ?)」みたいに考えるかも知れません。

もしかしたら「土日は出かけたけれど何してたの?」と問いただすかも知れませんが、まさか、土日で2回、朝から夕方まで外出しただけで自分に対して気功攻撃を仕掛けられる気功師になって現れるとは夢にも思わないはずです。

見た目は、変わらずに今まで通りのお母さんですし、額に「気」という文字が浮び上がる訳ではないので「実はお母さん、お前の心を変えれる気功師になったんだよ」と正直に言ったとしても「何バカな事言ってんだ?」と信じてもらえないのではないでしょうか?

気功を使っても、熱風が出る訳ではないし光がでる訳でも臭いがある訳でもありません。

放射能を無防備に浴びて白血病になるのと同じく、息子は気功を無防備に浴びて心も体もストレスが取れドンドン自分で良い方向に変わっていきます。

気功の効果を上げるのは長方形の面積計算のような物です。

縦が「気功力」です。そして横が「時間」です。その掛け算で出た面積が「気功効果」と言えます。

治療効果は上げられても、さすがに4日間では強い気功は出せません。

つまり、縦の長さは短い長方形なのです。

ならば、横を長く延ばし続ければいずれ必要な面積になった時に結果が出ますよね!それには気功を浴びせ続ける長い時間が必要になります。

笑い話のようですが・・ここで気功治療するのに「ひきこもり」の最大の利点が良い結果に結びつくのです。

「引きこもり」の気功治療に良いところとは何でしょう?

それは「引きこもり」は、ずっと家に居てくれる事です。

非行に走って家に寄り付かない不良息子と違ってずっと家に居てくれるので気を浴び放題に浴びて効果が現れてしまうのです。

事実、このK少年は、自分から「家の中なんかでくすぶっている時じゃない・・」と言い出して学校に行き始め、進学も人間が変わった様に担任の先生に自分の要望を出し、無理だと言われた高校を強引に受けて合格してしまいました。いまは、その高校に通って弓道部のエースとして活躍しているとお母さんが報告してくれました。お母さん自身、自分がやったという自覚は全くなく来院した時に「先生・・一体何が起こったのでしょう・・夢のようです」と目を丸くしていました。

彼のように、全部自分で動き始めて、その後は順風満帆という例は、私のケアした例でもとても珍しいケースです。たいていは、お母さんの声に耳を傾けるようになり、私のところにやって来て私とお母さんが彼をサンドイッチにしてケアして結果を出すというのが一番多いパターンですが、こういう例も事実として存在するという事は、1回あれば2回あると思ってもいいのではないでしょうか?そして2回あれば3回ある・・3回あれば何回でもある!という連鎖を起こせるはずだと信じて今日も対応しています。

対応実例 14歳・女生徒・E

(1)アプローチ

最初の相談は母親からだった。

中3の娘が非行に走って困っているという相談で、学校にも行かず、昼間は部屋で寝ていて、夜になると家を飛び出し、暴走族のバイクの後ろに乗って他人に迷惑をかけているという。

警察に補導された事も一度や二度ではなくて、最近ではヤクザとの関係も出来た様だという相談だった。

本人との最初のコンタクトは、自宅への出張で試みた。

その娘の一番慕っている祖母の知り合いという形で自宅を訪れて、半ば無理やりコンタクトを取った。

最初に母親が引き合わせだけを行い、買い物を装って外出して、その娘(E)とのツーショットの形を作りテーブルに向かい合わせになる位置関係で話を始めた。

髪も眉毛も金髪に染めた風貌は、本当に中学生?と思わせるものだったが、話を始めると外見から受けるものとは全然違い、純粋さに似た素直さを感じた。

初めは、イスに、はす向かいに座って顔をそむけながら話していたEも、私が自分の敵ではないと感じて少しずつ心を開き始め1時間後に母親が帰って来た時には、「次にはいつオフィスに遊びに行っていいのか・・」と自分から約束を入れたがっていた。

その様子を見て母親は「先生・・一体どんな方法をお使いになったんですか?」と目を丸くしていました。

「私にしたら当たり前の簡単な技法ですよ・・・今のお母さんには無理かもしれませんがいずれ教えます」とだけ告げてその日は家を後にした。

(2)来院

それから、何回かの電話のやり取りがあって、Eは、自主的に来院する形になりました。

1回目の来院の時のEの私に対する瞳の変化が明らかに私に心を開いてきている実感を与えてくれました。

2回目には、自分がこんなに凄い人と知り合いなんだ・・・という事を誇示したいらしく、友達を2人連れて行きたい。と言い出したのでオーケーしました。

周りの友達ごといい方向に持って行かなければ本人だけの対応だけではらちが明かないと考えたからです。

2人の友人を含めて心をつかみながら催眠誘導は続きました。

と言っても、テレビで見る様な催眠ではなく、主に会話の中から頭に刷り込んで行く應水流催眠法独特の技法を使い確実に心のパイプをつなげ、それを太くして行きました。

そんな効果を実感した頃、Eの父親がオフィスを訪れました。

(3)父親来院

父親は、典型的なサラリーマンといった風貌でした。

自信を持って娘を叱る事が出来ず、娘の顔色を見てご機嫌を取るという父親の愚かな行動が、娘の非行の大きな要因だとすぐに判りました。

私は「一家に母親は二人も要らない。父親は、父親の役目を果たせ」という助言をしましたが、「そんな事が原因だとは思えません。とにかく自分達では無理なのでプロに頼んだんですから・・宜しくお願い致します」と言って帰って行きました。

娘は、相変わらず暴走族やヤクザとの付き合いが続きました。

ある土曜日、娘は父親の目の前を通って家を出て行きました。

そしてまずその足で当オフィスを訪れました。

黒の上下の下にサラシを巻いた姿はレデイースそのものでした。

私はそのEの恰好を見て「これから族の集会に行くつもりだな!」とすぐ判りました。

止めても行くでしょうからくれぐれもハメを外さない様に注意して送り出して父親に連絡を入れてやりました。

父親は、私からの報告を聞いて慌てふためいた様に

「先生!何故、止めてくれなかったんですか?今から乗り込んで行って連れ戻して下さい」と叫びました。

「???それなら自分が家を出る時に止めるべきだろう・・・あの恰好を見たら誰だって何をするつもりか判るはずなのだから・・」と言うと「そんな事が出来る位ならば先生に頼みません」という返事を返しました。

「お父さんが変わらなければ絶対に娘さんは元に戻りませんよ」と言うと電話口からムッとした雰囲気が伝わってきました。しかし、私に頼るしかない父親は「わかりました。」と言って電話を切りました。

(4)心にアプローチ

娘は、私には思いの外、心を開いてくれました。

娘を立ち直らせる為には、その周りの環境からケアしないと困難だと判断した私は、仲のいい友達を連れて私の心理オフィスを訪ねるように勧めました。

Eは、YとMという女友達を連れてオフィスに現れました。

私は難しい話は一切せずに少女達が少しでも喜びそうな話やプロで通用すると評価されているマジックなどを披露しました。

少女たちは斜に構えた可愛げない優等生の少女よりずっと純情なのではないか?と思われるくらいに屈託のない笑みを見せました。

Eは、連れてきた二人に「これが私の知り合いの大滝先生よ!」と言わんばかりに自慢げな表情で「スゴイでしょう!スゴイでしょう!」を連発しました。

話が盛り上がったままあっという間に数時間が経過した時Eがおもむろに

「先生・・私、刺青を入れたいんですけれどどう思いますか?」

と訊いてきました。

「そんなの良い訳がないだろう!」と言うのは簡単だしほとんどの人がそう言うのではないだろうか?

でも私の対応は全然違いました。

「刺青は、入れたら一生消えないしデザインも変えられないから入れた人は必ず後悔するらしいよ!でも入れたいというならば先生が今から書いてあげるから入れた感触を味わってごらん!」

3人は私の言っている意味が全く分からないらしくキョトンとした顔をしていました。

私は引き出しから青と赤と緑の油性マジックを取り出して

「さっきは先生のマジック((手品)でビックリしたと思うけれど、今度は違うマジックを見せよう」と言うとEの腕の肩に近い部分にわずか10分で刺青を描き入れた。下の写真は、違う時に小学校5年生の男の子に書いてあげた作品である。

心にアプローチ

手前味噌になるけれど、ちょっと見は本物としか思われない出来である。

他の2人も描いて欲しいとねだったが「今日はEだけ・・そのうちに描いてあげるから」とEに対して特別扱いをしてEに「私は先生に特別扱いされている・・」感を味あわせ、ますます心を鷲掴みにしていきました。